田舎で起業1.田舎ならではの集客方法を取り入れる

田舎でカフェやパン屋さん、レストランやペンションなど自分でお店を構えるいわゆる商売をしたい人や、工芸品などを作る工房を構えて地元や観光客に販売をする、会社を興してビジネスをするために田舎に移住をしたいとお考えの方向けの基礎情報としてまずは都会とは違う面を把握する必要があります。

田舎ならではの集客方法を取り入れる

都会と田舎の商売は分母が違うことを知る

都会と田舎の違いはまずは人口の数、そして交通手段、生活スタイルや価値観が大きく変わります。ファミリーレストランやファーストフードでもお分かりですが、お客様の回転数の違いで都会と田舎の売上の差は大きいですよね。分母が圧倒的に違うので都会で経験を積んで成功した方でも田舎では独立開業して失敗する可能性もありますのでまずは『集客』をどうするかを考える必要があります。

どんな人がどの手段で何を求めて訪れて来るか

ということを考えないとお客様が一向に来てくれない、来てくれてもリピートがないという結果につながってしまいます。

田舎では独特の信頼性・話題性が大事

都会だと通りすがりとか路地裏カフェとか入ってみよう!と思う人は多いしそれはそれで【見つけた感】が価値のあるお店になりますが、 田舎では知らない人のお店に足を運ぶ可能性は想像以上に低いです。逆に内容や場所によってはあえて寄り付かないなんて予想外のこともあります。 もちろん若い人はSNSで情報収集をしてドライブがてらカフェめぐりなどを趣味にしている人は多いですが、地域密着型の場合は知らない人の店は誰かの口コミやテレビ、タウン誌に掲載されないとなかなか足も運んでくれないし、通りがかりで知られる機会も少ないのです。ですので地元を対象にする場合のポイントとしては、

  1. 地元の人と仲良くなること
  2. 自治体の宣伝を利用すること(これは不思議なほど信頼性があります)
  3. テレビに取材されること(都会とはまた違う反応です)

が地元を対象とした集客スタイルです。こだわりのお店を作っても、他人というだけで無視されてしまうことは多いので交流を大事にしましょう。 どういうことかぴんと来ていないかもしれませんし時代や世代の変化で少しずつそのような風習はなくなっては来ていますが田舎で商売をするならたとえ観光客向けのお店であっても地元の人との交流は大事にしておかないと住みづらさを感じてしまいます。

誰を対象にする商売なのか明確にする

田舎で商売と言っても、おおまかに分けると

  • 地域密着型
  • 観光客対象
  • インターネット販売

というパターンに別れます。ですから観光客対象なのであれば地域の集客をさほど意識しなくてもいいですが(近所づきあいだけは大切。)観光客向け商売なると土日や連休、観光シーズンだけが忙しく平日は暇になることも考えられます。そう、旅行に行った際に、かなり賑わっているから商売成り立つなと思っても、それは世間一般がお休みで旅行で集まっているからにすぎないこともありますよね。また2020年のコロナ禍で随分と常識が覆ってしまった苦悩を抱えている人が多いのでリスク回避も考える必要があります。

そして意識するのが価格設定。これはカフェやレストラン、野菜、趣味のスクールどれもに当てはまりますが、飲食を例にすると、比較的田舎は外食率が低く、わざわざお金を出して食べに行こうという習慣は少ないです。ということは、ランチなどいくらこだわって出してもその価値はわかってもらいにくく高いお店だと言って来てくれる率は低いです。これは安くしても同じ傾向にあり、地元狙いの飲食店だと外食をするという習慣があるかないかを調査する必要があります。 更に言うと地元は地元の口コミ力というものもあるので応援してもらえるように心がけることも方法の一つです。車を持っている人が多いので、勤務先などで話題になった時に少々距離があっても来てくれるのでお店の駐車場の確保を十分にしておくことも念頭に入れましょう。

逆に観光客の場合はその地で食べることに価値を感じるので値段はさほど問題ではなくそれよりも特徴やこだわり重視になります。

どんな対象でも集客は自分でする必要があり、一番効率がいいのは口コミです。 その口コミを広げてもらうためにはインターネットでブログを配信したり、今ですとFacebookやツイッター、Instagramが効果的で、ハッシュタグ検索でお店を探すことが主流なので、SNSをやったことがない人にはそんな効果あるの?めんどくさい、時間がない、怖いと思いがちですが、FacebookもツイッターもブログもInstagramも携帯で投稿できるので慣れると5分もかかりませんので実はめんどくさくもないし時間もかかりません。

たった数分の投稿作業をするだけでも長期的に見ると何もしないよりも大きな差がつきます。飲食店や趣味のスクールなら毎日メニューの投稿や実際にお客様の感想とか生徒の感想とか個人情報は控えつつ掲載していき賑わい感をリアルに伝えましょう。 そうすることで、投稿を見た人が【行ってみたいな】と思っていただけるキッカケがドンドン増えます。【店長(先生)に会ってみたい】と思っていただけるようになると確実にファンが増えてきます。

ネット集客はメリットが大きいけど炎上対策も必要

自分で作った野菜の販売や工芸品を販売するネットショップも同様、販売情報やセール情報のみを掲載するのではなく、商品の魅力や特徴、愛すべき点を伝えることを意識し、必要だと感じたら自然に購入していただけるので、まずは欲しくなる・必要だと感じる情報を配信することが先決です。 その延長で時折セール情報やイベント情報を配信していくと自然にファンが口コミを広げてくれます。

インターネットというのは拡散力がすごいので集客のメリットはたくさんありますが、逆に炎上というトラブルになると商売に弊害が出ることもありますので言葉遣いや内容に非常識な要素がないかを考えながら投稿するようにしましょう。この常識の価値観て人により違うのでターゲットにしている顧客に対してどうすればよいかに絞る方がまとまりやすいです。

そして人は一方的に売り込まれると嫌がります。商売繁盛して儲かりたい気持ちは間違えてはいませんが、お客様に対するちょっとした心遣いは大事です。


田舎に移住をして商売をしたいとお考えの方に向けて、一般書籍や自治体の情報だけではイメージできない田舎で独立起業・商売するための主な基礎知識として

  1. 田舎ならではの集客方法を取り入れる
  2. お金を出さない田舎の節約生活の地域性を知る
  3. 田舎で安定したリピート戦略を取り入れる
  4. 田舎で商売をし足りない収入源をどう補うか念頭に入れる
  5. 田舎でアナログ仕事に固執するのは古い
  6. 田舎で商売するための移住先を決める際に知っておくべき5つの条件

といった6つのポイントを記載します。一般の集客や経営の書籍では都会基準のことも多く、それを鵜呑みにすると田舎では通用しないこともたくさんあります。教科書通りでは行かない田舎での商売について一つでも参考になると良いです。